今回の”What's New ”のコーナーでは、青空の下で楽しんだアルピニスト憧れの槍・穂高縦走の山旅をご紹介します。


2013年北アルプス槍・穂高縦走

 槍ヶ岳と言えば北アルプスで最も人気の高い山の一つで、登頂コースとして東鎌尾根から入る表銀座コースが一般的です。私も若い頃に2回通っていますが、一度西鎌尾根からの裏銀座コースを通って登ってみたいと、前々から思っておりました。
 裏銀座コースは距離が長く日数がかかりますが、北アルプス奥深くの尾根歩きが楽しめ、途中で水晶岳、鷲羽岳の二つの百名山も登頂できます。

第1日 高瀬ダム - ブナ立尾根 - 烏帽子小屋 - 野口五郎小屋

 槍への裏銀座コースは、高瀬ダムから北アルプス3大急登の一つであるブナ立尾根を登ります。稜線の烏帽子小屋からは尾根歩きが始まり、北アルプスの山々の姿を楽しめます。




 野口五郎小屋は野口五郎岳のすぐ下の小さな山小屋です。稜線の小屋は水がないという欠点はありますが、ご来光や夕日が素晴らしいことが魅力です。
写真左は野口五郎小屋と餓鬼岳、中央は薬師岳に沈む夕日、右はその時の東空で燕岳上の雲に夕焼けが反射しています。


第2日 野口五郎小屋 - 水晶岳 - 鷲羽岳 - 三俣蓮華岳 - 双六岳 - 双六小屋


 この日は壮大な山々を巡る尾根歩きのコースです。しかし途中で超えなければならない山は、やはり半端ではありません。写真は水晶岳(左)、鷲が羽を広げたような朝焼けの鷲羽岳(中)、百名山で風格があり私の好きな黒部五郎岳(右)です。黒部五郎の手前の台地は天上の楽園と言われる雲の平で、大小の池塘と高山植物が素晴らしく、温泉まであります。

 笠が岳(左)は2年前に登った山ですが、鷲羽岳の上からは先の丸いマッターホルンという風にも見えます。槍ヶ岳もだんだんと近づいてきました。

第3日 双六小屋 - 槍ヶ岳 - 南岳 - 南岳小屋

 ご来光を見るために暗いうちから西鎌尾根を登り始めました。今日は久し振りに槍ヶ岳の頂上に立てる日です。西鎌尾根から見たご来光(左)、乗鞍岳と焼岳(中)、槍ヶ岳の大槍と子槍(右)
 槍ヶ岳の頂上付近は込み合って、いつも渋滞します。午前の早い時間に着いたため、比較的すんなり頂上に立つことができました。頂上の祠の横での記念撮影も、2-3人待っただけで番が廻ってきました。写真下段右は大喰岳からの槍と槍ヶ岳山荘



第4日 南岳小屋 - 大キレット - 北穂高岳 - 涸沢岳 - 奥穂高岳 - 前穂高岳 - 岳沢小屋

 この日はコースの最難関、大キレットを超えて穂高連峰を踏破しました。昨日の槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳から本日の北穂高岳、涸沢岳、奥穂岳、前穂岳は、全て3000mを超える山稜です。写真はキレット側から見た北穂高(左、中央)と、北穂高小屋から見たキレットです(右)。両手両足を使う完全にロッククライミングでした。


北穂高小屋からキレットに向かう登山者はヘルメットを着けています(左)。涸沢岳の頂上手前で救助に向かう山岳パトロール隊員と出くわしました。しばらくしてから救助隊のヘリが来て救助活動をしていました(中央)。写真右は北アルプスの最高峰、奥穂高岳と前穂高岳。足元には山岳救助本部のある穂高岳山荘が見えます。


日本で3番目、北アルプス最高峰の奥穂高岳頂上(左)、例年より雪が多く残っている涸沢カールの雪渓(中)、奥穂高岳から左に伸びる西穂高岳への北アルプス最難路(右)


第5日 岳沢小屋 - 上高地 - 焼岳

 雪崩で流されたため最近新しく建て替えられた岳沢小屋の内部(左)、レンタルヘルメットがあります。ここから一旦上高地に下りて南下し、最後に焼岳に登りました。焼岳(中央)も百名山で標高2400mあり、疲れた足にはこたえました。頂上付近では硫黄のガスが噴出しています。


第5日 焼岳小屋 - 上高地 - 穂高神社奥社(明神池)


 焼岳から下山すると河童橋から1時間ほどの穂高神社奥社にお参りしてきました。明神池(中)はその一部です。神社では縦走を果たして無事に帰って来れたことを報告し、お礼を申し上げてきました。