都市型大型市民マラソンの最後に登場した横浜マラソンが、3月15日に開催されました。日本一高い参加料や首都高速道路を11㎞も走るとか、何かと話題の多いマラソン大会でした。今回の”What's
New ”のコーナーでは、その様子をお伝えします。ナゴヤウイメンズマラソン、篠山マラソン、東京マラソンも引続き掲載中です。
横浜マラソン2015
第1回の横浜マラソンが開催され、やはりランニング・ドクターとしてコースを走りました。
「横浜を走る、世界が変わる。」というサブタイトルが付いています。
近代的なみなとみらい地区、歴史的な関内地区、首都高速道路などを走るコースは、前評判が高かったようです。
また横浜マラソンは参加料が15,000円と東京マラソンのほぼ1.5倍で、これまでのマラソン大会参加費の常識を破りました。
スタート時には曇っていた空もだんだん晴れ、ゴール時には青空の下で多くの人々が声援を送ってくれました。
みなとみらい地区を出るとすぐに赤レンガ倉庫が見えてきます。
横浜スタジアムを1周して中華街の前を通り、山下公園の横を通り南下します。
この大会で面白かったのは、どこかの給食エイドで特定の時間だけ特別の物が出るラッキー給食です。
筆者はキロ7分でEブロックスタートでしたが、お菓子のラッキー給食ばかり3つ当たりました。
他にもシュウマイ、豚まん、ソーセージなどや、カクテルのサービスもあったそうです。
コースの20㎞地点から首都高速に入り延々と11㎞を走るのも、この大会の呼び物でした。
しかしそれほど良い景色でもなく、評判は今一つでした。
フィニッシュゲートはパシフィコ横浜とホテルの間の、少し狭い所に設置されていました。どうしてこんな場所にと思っていましたが、実際にフィニッシュして初めてわかりました。フィニッシュゲートの中に横浜ベイブリッジが見えるのです。
参加賞のTシャツはマリン調でなかなかのものと、良い評判でした。
世界初の神奈川県警のモバイルポリスも、この大会で登場しました。ヘルメットの横に小型のテレビカメラのようなものを装着していました。
ナゴヤウイメンズマラソン2015
完走賞のティファニーのペンダントは、毎年デザインが替わります。今年は桜の花がモチーフのデザインです。
スタート会場では昨年までは白とピンクのアドバルーンでしたが、今年はブルーに替わっていました。
今回も日医ジョガーズからランニングドクターが70余名参加し、コース内を走りながら救護に当たりました。
今年は暑くなりそうだったので、経口補給液OS-1を各自2、3本持って走りました。
スタート会場の横にはゴール後に花やペンダントを渡す役のイケメンが、タキシード姿でアドバルーンを持って立っていました。
外国人枠が1000人あり、多くの外国の選手も参加していました。写真右はフル初挑戦の台湾の選手。
5㎞付近では皆さんまだまだ快調に走ります(左)。
しばらくすると折り返してきた先頭集団とすれ違います(中)。
13㎞付近では後からスタートしたハーフの男子選手が、道路中央寄りを追い抜いて行きます(右)。
若宮公園でハーフの選手はフィニッシュし、ここからまたウイメンズのみとなります。やはり華やかさが感じられます。
各所で見られるピンクの道路コーンが晴れた日には引き立ちます。
名古屋城の金の鯱鉾も青空でよく光っていました。
ナゴヤドームに戻って来た時には、選手の足取りが軽くなります。歩いていた選手もまた走り始めます。
ドーム内のフィニシュ会場は、こちらもティファニー・ブルーに替わっていました。
今大会は暑くなり、熱中症の選手が多数も出ました。私も何人か対応しましたが、幸いなことに救急搬送が必要なほどの重症者とは遭遇しませんでした。
第35回ABC篠山マラソン
昨年の篠山マラソンでは心肺停止の選手が一人出て、傍にいた看護師さんや日医ジョガーズのランニングドクターがAEDを使用して救命しました。今年も2名心肺停止患者が出ました。1名は丁度日医ジョガーズの先生が倒れこむところを見ていてすぐに対応し、AED3回のショックで心拍再開、呼吸も再開しました。もう1名も救護スタッフ日医ジョガーズの活躍で救命されました。
前夜から降り続く雨が受付会場をぬかるみにしていました。気温も低く選手は建物の軒先などでスタートを待ちますが、私達ランニングドクターは控室を頂きました。
篠山マラソンは一般選手でもスペシャルドリンクを置くことが可能な、数少ない大会です。
スペシャルドリンク受付は、何かおもちゃ箱のような感じがしました。
スタートは陸連登録者が10時40分、一般が10時50分と分かれています。
雨はずっと降り続き、山間部ではみぞれ混じりとなる厳しいコンディションでした。
そんな中でも地元の人達は傘をさして震えながら応援をしてくれました。
辛いレースとなりましたが、暖かいものが用意されたエイドには助けられました。
コース上に2か所のしし汁エイドは以前からありましたが、黒豆おにぎりと熱いお茶のエイドが新設されていました。有難かったです。
結局ゴールまでずっと雨が降り続いた大会でした。
東京マラソン2015
2015年最初のフルマラソンのランニングドクター任務は、東京マラソンでした。
今回の東京マラソンがこれまでと大きく変わったのは、テロなどに対する安全対策です。コース上をランニングポリスが走り、あちこちに多くの警官が配備されていました。
スタート会場での手荷物検査、セキュリティーチェック、液体の持ち込み制限、搬送荷物のサイズ制限、仮装に関する制約なども、その対策の一部です。
いつもながら東京マラソンの醍醐味を味わせてくれるのは、銀座と浅草です。 銀座通りのビルの谷間にワーンという歓声がうねるように響き、その中を道一杯を埋める多くのランナーが駆け抜けていきます。
この雰囲気を写真でお伝えすることは不可能です。
浅草でも何重にもなった人垣からの声援が、途切れなく続きます。
この大会ではランニングドクターは自分の携帯電話の他に、GPS機能の付いたiPadを携帯して走りました。
救護本部のディスプレイには個々のランニングドクターの位置が表示され、必要に応じて携帯で指示が行われます。
また外傷に備えての手袋や消毒ガーゼ、低血糖用のブドウ糖も携帯しました。
写真右はIDカード、この大会ではコース上では必ず携帯することが義務付けられました。
他に救急用のポケットマスク、iPadの予備電池、バンドエイド、自分用の医薬品、貴重品などもあり、かなりの荷物を大型のウエストポーチに入れました。
ランニングポリスは白いビブスを着て、二人一組でリレー方式で走りました。コース上で一組だけ見ましたが、写真を撮ることはできませんでした。
写真下はその中継所です。また所々に特別警戒本部が設置されていました(中)。
写真右は30㎞付近での応援の名せりふ。フルマラソンを走った人でなければ、おそらく意味不明でしょう。
ゴール会場のビッグサイト横では大きな声援に、歩いていたランナーも再び走り始めます。ゴールの感動はいつも新鮮で変わりません。
幸いに今大会では心肺停止などの重篤な事故はありませんでした。スタート前に降っていた小雨はその後上り、また気温も余り上昇せず、マラソンには良いコンディションでした。
救護本部によりますと、今年は救急搬送も少なかったそうです。