大阪東京マラソン2018が今年は2月25日に開催されました。例年寒い大会で、これまでの平均気温が7℃です。今年は曇り空でやや冷え込みましたが風は殆どなく、速いランナーにはいい条件だったと思います。設楽悠太選手が14年ぶりに日本新記録を塗り替えました。一方、心肺停止の選手が3名出ましたが、全員救命されました。今回の"What's New"ではその東京マラソン様子をご紹介します。
東京マラソン2018
東京マラソンも今年で第12回大会となりました。第1回大会から日医ジョガーズが医療支援に参加しています。
最初にクイズです。
第1問 私達東京マラソンの救護関係者は、心肺停止などでも119番通報で救急車を呼ぶことが禁じられています。なぜでしょうか?
第2問 今大会ではコースのあちこちで、機動隊の輸送バスが数多く見られました。これまでの大会ではなかったことで、どうしてでしょうか?
大会の2週間前には医療救護関係者の研修会が行われました。
東京マラソン2018での変更点、前回大会までの救護データ、救護所での医療救護、傷病者発生対応などがテーマでした。
私達のグループは、東京日本橋の10㎞地点の救護所前からフィニッシュ地点までを走る任務でした。
10㎞地点の救護所
コース上には14ヵ所の、スタートとフィニッシュ会場には計8ヵ所救護所があります。
その全てに消防特別現地警戒本部が併設されています。
そしてその側には救急車、または救急車と消防車が必ず待機しています。
応援の賑やかさ、華やかさはやはり日本一の東京マラソンです。
寒い中を裸で応援してくれる人、コカ・コーラを飲ませてくれるピットインサービス、ワインとチーズの私設エイド
コースのあちこちで見られた警備車両、左は有楽町、中央は日比谷公会堂前です。
右は三田の第一京浜国道との合流点で、明らかに車が真っすぐ突っ込めないように道をブロックしています。
品川から折り返してきますと、反対車線には最終収容車、道路上備品の回収車、道路を洗う散水車が続きます。最後は3台の白バイでした。
昨年からコースが変わり、フィニッシュ地点が東京駅前になりました。そのためゴール前の盛り上がりは以前とは比べ物になりません。
この盛り上がった雰囲気では、歩いていたランナーも最後の1㎞はみんな走らざるを得ななり走り始めます。
これまで11回開催された東京マラソンでは、計8名のランナーで心肺停止が出ています。幸いに全員救命されています。
今年は過去最高の3名の心肺停止の発生がありました。いずれも迅速に対応されて、事無きを得ています。
東京マラソンの秘密兵器
ランドクターやAED隊が持つiPhoneですが、これで各人の位置が本部で把握され、必要に応じて指示が行われます。また救護本部や各救護所などにも直ぐに連絡が取れます。テロなどの緊急時の指令もこれで発信されます。
クイズの答え
第1問
コースには20台以上の専用の救急車が待機しているので、救護本部からは最も近い救急車を出動させることができるからです。緊急時に救護本部に連絡すれば、119番より迅速に救急車が出動し現場に直行します。
第2問
既にお分かりだと思いますが、車両テロを防ぐためです。
日医ジョガーズは今年も2グループに分かれて、コースを見守りながら走りました。
上は10㎞地点の日本橋からフィニッシュまでを走った40名のランニングドクターです。
3名の心肺停止事故がありましたが、その内2件は日医ジョガーズの医師が対応しました。