槍、穂高連峰を歩くと、西の方に笠ヶ岳のすっきりとした山容が目につきます。真正面から穂高、槍を眺めることが笠ヶ岳の魅力の一つですが、以前に上った時はガスがかかって何も見えませんでした。天気を心配しながら、その笠ヶ岳から槍ヶ岳を周って来ました。その模様を、今回の"What's
New"でご紹介します。
北アルプスの旅2019
槍ヶ岳は1828年に播隆上人が初登頂し、頂上に仏像を安置して開山したとされています。
そのきっかけは彼が笠ヶ岳に登り、遥か彼方に槍のように聳える山を見たことから始まるそうです。
頂上の形は対照的ですが、どちらも素晴らしい山容の名山です。
新穂高温泉から少し上がった所に登山道の入口があります。
地図の左端に笠ヶ岳が、右端に槍ヶ岳が描かれています。
右下に新穂高ロープウェイがあり、これを使うと一気に西穂高岳まで上がれます。
地図にはありませんが更に右側には穂高連峰があり、その向こうが上高地です。
右は槍ヶ岳の西側直下からの写真で、笠ヶ岳か槍ヶ岳へのコースが大よそ写っています。
まず左上の笠ヶ岳に、その手前の谷から急坂を登ります。
翌日は尾根を歩いて右上の奥の方にある双六小屋に行きました。
右上から足元まで伸びるのが西鎌尾根で、ここまで3日掛かりです。
スタートの新穂高温泉から見上げると、標高2898Mの笠ヶ岳頂上は遙か上です。
急坂を上っていきますと段々と視野が開けて、目の前に穂高連峰が迫ってきます。
左が北穂高岳、中央が涸沢岳、右が奥穂高岳です。
穂高の左には播隆上人が眺めたという槍ヶ岳が見えてきます。 穂高の右には焼岳、乗鞍岳が共に独立峰として姿を現します。
8時間近く掛かってようやく笠ヶ岳が近づいてきました。頂上付近は岩の多いガレ場です。
笠ヶ岳の魅力の一つは山頂からの槍、穂高の景色です。とくに朝焼けや日の出は最高です。
笠ヶ岳の縦走路は長いですが天気が良ければ快適です。
笠ヶ岳山荘のお弁当は、朴葉で巻いた五目すしです。穂高を眺めながら美味しくいただきました。
2泊目の双六小屋で誕生日を迎えました。ここは生ビールがあるので、それで乾杯です。但しヘリコプターで上げたビールですので、1杯1000円です。
双六小屋からは裏銀座コースと呼ばれる西鎌尾根を、槍ヶ岳まで進みます。
槍の穂先はいつも混んでいますが、途中でそれ程待つこともなく1時間ほどで往復できました。ひどい時は登り口に行列ができ、1時間位待つこともあるそうです。
今は穂先に上る殆どの登山者が、ヘルメットを装着しています。山荘で500円でレンタルできますが、私は新たに購入して持参しました。
槍ヶ岳の東側が、槍沢と呼ばれる上高地からの登山道です。
その途中から正規ルートを離れて40分ほど南に行くと、天狗原と呼ばれるカール地形があります。
ここには天狗池という小さな池があり、運が良ければ逆さ槍が見られます。
槍沢を下って行くと、横尾という場所に出ます。ここは昔から横尾山荘という大きな小屋があり、穂高連峰と槍ヶ岳との分岐点です。
ここから穂高方面に3時間上ると有名な涸沢カールで、奥穂高岳や北穂高岳などへのルートがあります。
元気が残っていたら穂高岳まで行く予定でしたが、幸いに(?)台風が近づいていたので涸沢カールまでで引き返しました。
多数のカラフルなテントで大賑わいする涸沢カールですが、台風が近づきテントは一つもありません。
いつもは混雑する岩魚で有名な嘉門次小屋もガラガラで、ゆっくり岩魚の塩焼きとビールをいただきました。
上高地の山岳遭難防止対策協会の掲示、上高地の少し北の明神橋付近で熊が目撃されたそうです。また今シーズンは、既に二人が山で遭難して亡くなっています。
今年は熊よけの鈴だけでなく、熊よけスプレーも持って行きました。高さ15㎝程で、5-6M先までトウガラシ成分の液体が飛ぶそうです。
最後は台風の影響で雨にやられましたが、メインの笠ヶ岳と槍ヶ岳には天気の恵まれました。
また熊に出会う事もなく、無事に下山してきました。
Supplement
北アルプス山小屋グルメ
双六小屋の鳥ごぼう飯のお弁当、おかずはミニフライ、シュウマイ、うずら卵、鮭など
槍ヶ岳山荘の夕食はハンバーグ
有名な槍ヶ岳山荘のちまき弁当
焼豚、筍、椎茸、松の実などが入った中華ちまき