新型コロナウイルス感染症が流行して、海外旅行ができない時期が長く続きました。ようやく世界的に新型コロナが落ち着いたので、延期していたスペイン旅行が叶いました。今回の"What's
New"です。
2023年夏のスペイン紀行
ずっと昔にヨーロッパ旅行に出かけ、オーストリア、スペイン、スイスを訪れる予定でした。でも最初に着いたウィーンで高熱を出し、ホテルで寝込んでしまいました。それでスペインには行けずじまいでした。
3年前に再度スペイン旅行を予約しましたが、新型コロナでキャンセルになりました。
三度目の正直でスペイン旅行が実現しました。
今回のスペイン旅行で楽しみにしていたことが、三つありました。
☆ 一つ目は、ガウディのサグラダ・ファミリアを訪れること
☆ 二つ目は、グラナダのアルハンブラ宮殿
☆ 三つめは、スペインバルでビールとタパスを味わうこと
〇 サグラダ・ファミリア
今年6月から東京の国立近代美術館で、ガウディとサグラダ・ファミリア展が開催されていました。
ガウディが後世に託した夢の殿堂、完成への道というサブタイトルが付いていました。
スペインを訪れる前に近代美術館に行って、予習をしてきました。
サグラダ・ファミリアは建設が開始され、既に140年が経過しました。
ガウディの没後100年に当たる2026年の完成を目指していましたが、新型コロナで工事がストップして遅れています。
内部の教会はすでに完成して、バチカンから教会として認められています。
サグラダ・ファミリアには三つのファサードと呼ばれる門があり、その内の二つが完成しています。
東側が有名な生誕のファサードで、キリストの生誕に関わる逸話が彫刻で表されています。
西側が受難のファサードで、キリストの最期の場面が現代彫刻で表現されています。
建設中の中央、栄光のファサードに飾られる予定の主の祈りが、教会内部に飾られていました。
ラテン語の後ろに各国の言葉でも小さく記載されています。
内部はステンドグラスを通して差し込む光で、美しく彩られています。
尖塔は18本の内、現在7本がまだ建設途中です。
ガウディはバルセロナに他にも傑作建築をいろいろ残しています。
グエル公園はその中でもユニークな住宅街として造られたものです。
1800年代に、コミュニティとしての住宅街を考えたガウディの発想に驚かされます。
〇 アルハンブラ宮殿
有名なギターの名曲「アルハンブラの思いで」の優雅な旋律とも重なり、アルハンブラ宮殿は丘の上の瀟洒なアラブ風の宮殿というイメージを抱いていました。
でもアルハンブラというのは「赤い城」という意味だそうで、訪れると間違いなくここは城塞でした。
城塞の中にいくつかのこじんまり宮殿や庭園があるのが、アルハンブラ宮殿です。
宮殿の中は派手さや仰々しさはありませんが、イスラム文化の粋を極めた造りになっています。
精緻な文様で飾られた部屋の内部や、中庭、水の少ないスペインではあまり見られない噴水を使った庭園などが印象的です。
ガイドブックにアルハンブラ宮殿の全貌を外側から見た写真がないので、不審に思っていました。
行ってみて始めて分かりましたが、存在しないのです。
アルハンブラ宮殿は城塞ですので、城の中の通路を抜けて行くといきなり宮殿の中になります。
そして美しい中庭を取り囲むように宮殿が建てられています。
〇 スペインバル
英語の「Bar」が語源だそうで、バーカウンターがあり「タパス」と呼ばれる小皿料理と一緒にお酒が飲める所と聞いていたので、楽しみにしていました。
最初に訪れたのはグラナダのバルで、グラナダではどこでもビール1杯にタパスが1皿付いているのが売り物だそうです。
バルセロナのバルではテーブル席で、タパスをいろいろいただきました。
串に刺したものはピンチョスと呼ばれるそうです。
このお店ではタパスのメニューの絵があるので助かります。
オープンテラスのあるバルにも行ってみたかったので、裏通りに入りました。
席の空いている店が丁度見つかり、お願いしました。
タパスは本当に多種多彩ですが、私は写真左のイベリコ豚の生ハムと、ししとうがらしの素揚げが一番気に入りました。
〇 世界遺産
スペインには世界遺産が48カ所もあり、これはイタリア、中国に次ぐものです。
世界遺産の街、トレド、コルドバ、セルビアも立ち寄ることができました。
☆ トレド
マドリードから南に約70㎞、古代ローマ時代から要塞都市として栄えたところで、キリスト教とイスラム教の文化が混じり合います。
画家のエル・グレコが活躍したことでも知られ、エル・グレコ博物館があります。
サント・トメ教会のエル・グレコの傑作「オルガス伯爵の埋葬」
トレドは昔から鋼鉄造りで知られ、街には土産用の刃物の店が多くあります。
☆ セビリア
アンダルシア州の州都で、人口は4位の都市であると同時に、闘牛やフラメンコの本場でもあり観光都市としても知られます。
アルカサルは9世紀頃にイスラム王の王宮として建設されましたが、、14世紀にスペイン王室のペドロ1世が大改築を行いました。
そしてイスラム建築とキリスト教建築の融合したムデハル様式の、宮殿が完成しました。
世界遺産でもあるセビリア大聖堂は、イスラム時代のモスクを基に100年かけて建設されました。
世界で3番目に大きい大聖堂だそうです。
こちらはスペイン広場で、タイル装飾の色々な歴史的な絵が人気のスポットです。
後ろの絵はドンキホーテです。
最初に着いたマドリッドでは気温が40度以上で日差しが強かったので、私はすぐに現地の帽子を買いました。
スペインは8世紀にイスラム勢力が侵入してイベリア半島の大部分を征服しました。
私は何となくイスラム軍は東から押し寄せたと思っていましたが、本当は南側の北アフリカからでした。
ヨーロッパと北アフリカの間のジブラルタル海峡は、最狭部は14㎞しかありません。(ドーバー海峡は34㎞、津軽海峡は19㎞)
だからジブラルタル海峡のあるアンダルシア地方(セビリア、グラナダ、コルドバ)は、イスラム文化の影響を強く受けています。
始めてスペイン 旅行でこれまでよく知らなかったこの国の事が、少しは分かるようになりました。
もっと近ければまた訪れて、バルの梯子を楽しみたいところです。
ウクライナ紛争のためロシアを避けた飛行は、今までよりかなり長かったです。
写真はお土産に買ったバルセロナの伝統ある菓子舗のお菓子です。